オーストラリアとの潜水艦共同開発について
2016 / 04 / 27 ( Wed )
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 受注出来なかったことは結果オーライである。
豪政府の話し方にもよるし、政府の思い込みもあったのだろう。
マスコミや野党が否定的なこと何も言わなかったのは不思議だが、後から、獲れれば獲れたで、獲れなければ獲れないで叩くつもりだったのだろう。
しかし、国内メーカーの雰囲気は総じて消極的ないし否定的だったと感じる。
それを政府が強引に国策だと引きずった感があった。
豪海軍の潜水艦、全部で12隻、総額500億ドル(5兆3千億円)の予算との前触れで浮かれていたのかも知れない。(そんなに全部来る訳ないのに。)

 ただし、「そうりゅう型」の建造費は1隻当たり700億程度、造船所に入る金はその半分以下なので、オーストラリアの予算は潜水艦にしては巨大に過ぎる。
元々豪潜水艦の予算は400億程度度と聞いた気がする。だから建造費の総額は5000億程度を考えていたのかも知れない。だから私は「そうりゅう型」の廉価版を想像していた。
 オーストラリアは共同開発による現地建造を希望していることから、潜水艦に回るのは1兆円以下で、残りは国内の建造設備等インフラ整備に回ると思われ、全部が日本に来るわけではない。

 日本に来るのは技術指導を含めてもそう大きな金額ではないだろう。受注出来なくても大きな痛手になるとは考えにくい。むしろ、不慣れな建造による品質低下、製品不良から、建造中、就役後の事故等を勘案すれば、受注した方が補償やなんかで痛手が大きくなったかも知れない。

 巷では秘密漏洩と大騒ぎするが潜水艦に秘密は案外少ない。私はそんなことを心配していない。秘密云々以前に製造そのものが非常に難しいのだ。
正しい例えか分からないがスキーのジャンプ。スキーをしたことがない者にスキーを教え、ジャンプを教え、次期オリンピックで優勝を狙うようなものだ。子供からなら時期に拘らず時間を掛ければ或いは可能かも知れないが、身体も頭も固くなった大人からでは怪我をする前に辞めるか、怪我をして挫折するのが落ちだ。しかも時間は限られている。

 潜水艦建造はどのパーツ一つ取っても製作上のノウハウがないと出来ないものなのだ。性能を左右すると言われるプロペラについても材質・形状が分かっても完成出来ない。鋳込みから加工・研磨まで全てにノウハウがある。だからメーカーとして成り立っている。一事が万事そうだ。だからメーカーは完成品の輸出以外は消極的だったのだ。現地企業に基礎的な工業力がないと出来ないのだ。多分どの会社も現地でまともな物が出来ることを想定していなかったのだろう。

 FMS等で完成品として輸出しても販売金額は総額1兆円以下と予想出来ることから、各社、国内設備、人員を増強しても10隻程度では採算が合わないのだ。
その後過剰になった設備、人員をどうするのかの方が大きな問題として残る。
 我が社の場合でも、完成品輸出なら年間数本なら余裕のよっちゃんで生産出来るが、設備投資が要るなら逡巡するだろうし、現地生産なら多分お断りするだろう。
豪国産でも中国産でも韓国産でもお好きな所からどうぞとなることだろう。

 まして現地生産で期待出来る技術料等はせいぜいその1~2割、1000億程度が十数年に分けて獲得出来(100億以下/年)、それを各社で分けるとなれば、リスクを負って社運を賭けてまで受ける話ではない。
数年掛けて人を作っていく話でもなかった。

 だから受注出来なかったことは当然であり、喜ばしくはないにしても、残念なことでは決してない。
 貿易として潜水艦建造を見れば或いは違うのかも知れない(その割に失注による経済的損失或いは打撃について書かれた論評を見かけない。せいぜいが「獲れなかった。馬鹿で~。」くらいだ。)が、製造という目で潜水艦建造を見れば、経済評論家が言うほど簡単な物でも美味しい物でもない。却って腹を壊しかねない際物なのだ。ドイツ産の潜水艦を韓国でちゃんと造れない例もある。
 インドネシアの新幹線を中国が獲ったように、オーストラリアの潜水艦はフランスが獲った。それだけだ。十数年後に答えが出る。その潜水艦を使って南シナ海や西太平洋で日米豪の共同作戦をするだけだ。邪魔をしなければそれで良いし、使えれば尚良い。

 大体最初の話としていきなり潜水艦などと言う話が大き過ぎたのが間違いだ。
US-2あたりの人道支援をインドに輸出することから始めれば良い。

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コメント
--失注--

全く仰るとおりです。増勢でたいへんなところに採算不透明な技術協力の話な、落胆している人は見たことがありません。幕切れが意外な時期に意外なルートだったので釈然としない気分が強いですね。
by: 神戸の水々モンスター * 2016/05/01 21:45 * URL [ 編集] | page top↑
--やはりですね--

 こんばんは。
気付くのが遅れて申し訳ありませんでした。
私は現地建造はどだい無理なことと思いましたので、完成品輸出以外は期待していませんでした。外国人の検査もそぐいませんしね。
 外国で溶接すら出来ないのに建造など端から無理です。
我が社は儲け損ないましたが。
by: もと * 2016/05/02 21:02 * URL [ 編集] | page top↑
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